照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 力強く言い切った海斗くんは、とても頼もしかった。彼の優しさに緊張がほどけ、目の奥が熱くなる。

 潤んだ目もとに気付かれないようにうつむくと、海斗くんは静かに口を開いた。

「自分がもっと早く気付いていれば、こんな怖い思いをさせずにすんだのに。来るのが遅くなってすみません」

 深く頭を下げられ、慌てて首を横に振る。

「そんな。あの賑やかな会場で気付いてくれたことのほうが奇跡みたいなものですから」

 そう言ってからふと気付く。

「そういえば、誰かが連絡してくれたんですよね」

 海斗くんがこの場に駆けつけたとき、『男性に付きまとわれている女性がいると連絡が入った』と言っていた。

「その人にもお礼を……」

 私の言葉を聞いた海斗くんは、それまでの落ち着きが嘘のように焦りだす。

「あ、いえ。それはこちらで対応するんで、大丈夫ですから……っ」

 どうしてそんなに慌てているんだろう。

 不思議に思っていると、「姉ちゃんと海斗じゃん。なにやってんの?」と声が聞こえた。