照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 私たちの表情を見て状況を察したのか、海斗くんと目線を合わせ低い声で現状を確認し合う。

 しばらくすると、無線から短いノイズが流れ女性警察官の声が聞こえてきた。

『こちら本署。過去に女性への不審な声かけで複数回通報あり。いずれも指導対応済みです』

 その言葉を聞いて、男性が舌打ちをする。

「了解。対象者を署へ任意同行し、事情確認します。以上」

 海斗くんが短く応答し無線を切ると、ベテランの警察官が男性に声をかける。

「お兄さん、以前にも似たような件でお話しさせてもらってますね。ちょっと署で事情を確認させてください」
「いや、俺はただ話をしてただけなのに、相手が大袈裟に怖がって……」

 顔を引きつらせる男性に、海斗くんの視線が鋭くなる。

「相手に不安や恐怖を与えておいて、そんな言い訳が通じると?」

 その声には、強い正義感がにじんでいた。男性はうつむき、黙り込む。

「署でしっかりお話を伺って、今後同じようなことが起きないように整理しましょう」