照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 ちょうどちびっこたちの列が途切れたようで、ちひろちゃんが飲み物を手渡すと、海斗くんが制帽を取りお礼を言うのがわかった。

 私を前にしているときとはまったくちがう、自然体で落ち着いた対応だった。

 それを見て、また少しもやもやする。

 なにあの冷静さ。私が話しかけようとしたら、思い切り顔を強張らせたのに。

 もしかして私、海斗くんに嫌われてたり、怖がられてたりする?
 たしかに高校生の頃、涼成を口うるさく叱っていたせいで、いつも鬼だって言われてたもんなぁ……。

 そんなことを考えながら、離れた場所から海斗くんを眺める。

 二十八歳の海斗くんと、二十七歳のちひろちゃん。ふたりはとてもお似合いでまぶしく見えた。

「遠山さん、お昼休憩行っていいよ」

 課長に声をかけられ、「ありがとうございます」と立ち上がる。

「屋台、なにか美味しいものありました?」
「焼きトウモロコシが美味しかったよ」
「へぇ、行ってみますね」

 そんな会話をしてから本部のテントを出た。