照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「かわいいちひろちゃんに話しかけられたら、おまわりさんもよろこぶんじゃないかな」

 私がそう言うと、ちひろちゃんは「かわいいなんて、そんなことないですよ」と照れたようにはにかむ。

「暑くなってきたから、飲み物を差し入れしようかなって思ってたんだよね。ちょうどいいから、ちひろちゃん行ってきてくれない?」

 本部テントにあるクーラーボックスから、お茶やスポーツドリンクのペットボトルを数本取り出し、ちひろちゃんに手渡す。

「じゃあ、真帆さんも一緒に行きましょうよ」
「私はいいよ。落とし物とか迷子の対応をしないといけないし」

 それに私が話しかけたら、海斗くんに嫌がられるにちがいない。そう思い首を横に振る。

「わかりました。じゃあ行ってきまーす」

 ペットボトルを抱えたちひろちゃんは、軽い足取りで警察署のブースへ向かった。

 その様子を本部テントからぼんやりと眺める。