照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 だけど、ちょっと素っ気なさすぎない?

「私、嫌われてるのかなぁ」

 顔をしかめてつぶやくと、同じ職場で働く手島ちひろちゃんがやってきた。

「真帆さん、どうしたんですか?」

 難しい顔をする私を見て首をかしげる。

「なんでもない」

 ちひろちゃんは私より七つ下の二十七歳で、とても明るくかわいい子だ。

 転職してきたばかりの私にも、『落ち着かないので敬語は使わないでいいですよ』と言い、いつも気さくに接してくれる。

「イベント大盛況だね」

 地元の親子連れやお年寄り、屋台目当ての学生たちなど、たくさんの人で賑わう会場を眺めながら言うと、ちひろちゃんが「ほんとですねー」とうなずいた。

「そういえば真帆さん。ちびっこ警察官コーナーにいるおまわりさん見ました?」
「うん。イベントが始まる前に挨拶したけど」
「ひとり、背が高くて男前のおまわりさんがいましたよね」

 顔を輝かせるちひろちゃんに「あー……」と曖昧な相槌を打つ。