照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 予想外の反応にきょとんとしながら、言いかけた『ありがとう』という言葉をのみ込む。

 あー、なるほど。海斗くんは私と知り合いだと思われたくないんだ。

 そう察した私は背筋を伸ばし、にこりと笑う。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 私も初対面のように対応すると、海斗くんがほっと胸をなでおろしたのがわかった。


 


「なんか、もやもやする……っ」

 本部テントに戻った私は、頬杖をつきながらそうつぶやく。

 まぁ海斗くんにとって私は、昔ちょっと関わりがあっただけの、ただの友達の姉だし。十六年ぶりに会った〝ただの知り合い〟に、慣れ慣れしく話しかけられたってうれしくないよね。

 それに親しく話をしたら、周囲にいる同僚や先輩たちから『どういう関係?』と聞かれるに決まってる。

 海斗くんはそういう面倒を回避したかったんだろう。

 わかる。わかるよ、その気持ち。地元ならではのプライベートにぐいぐい踏み込んでくる感じ、めんどくさいもんね。