照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 ブラウスにベスト、そしてタイトスカートというシンプルな事務員の制服を着た彼女の胸には、『遠山』と書かれたネームプレートがつけられていた。

 そういえば涼成が、『姉ちゃんは地元の農協で働くんだって』と言っていたのを思い出す。

 なんで忘れていたんだ、俺……っ。

 先日の失態の動揺がまったく薄れていないのに、こんな不意打ちで会うなんて予想外だ。せめて心の準備をしておきたかった……!

 そんな後悔をしてももう遅い。

 今日はこの前のような馴れ馴れしい態度を取らないように、細心の注意を払おう。そう自分に言い聞かせ、背を向けたままさりげなく真帆ちゃんの様子をうかがう。

 動揺する俺をよそに、真帆ちゃんはほかの警察官となごやかに話をしていた。

「今日はお忙しい中ありがとうございます」
「こちらこそ、市民と触れ合える場を作ってもらえてありがたいです。普段は怖いイメージを持たれがちなので、こういうときにおまわりさんは親しみやすくて優しいんだよってアピールをしないと」