照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「ちょっと人手が足りなくて困ってたんだ。大崎、手伝ってくれないか」

 その言葉に「わかりました」とうなずく。

「明日は公休なのに、急に頼んで悪いな」
「いえ」

 首を横に振りながら、内心ほっとしていた。

 ひとりで家にいるよりも、やることがあるほうがありがたい。イベントを手伝っていれば、無駄に真帆ちゃんのことを考えずにすむから。

 仕事に集中しているうちに、くだらない煩悩なんて自然と鎮まるだろう。



 


 翌日。指定された会場に到着し、簡易的なテントの裏で子ども用のミニ制服を整えていると、「お疲れ様です」とスタッフらしき女性の声がした。

 振り返った瞬間、心臓が止まりそうになった。

 ――真帆ちゃん……!

 咄嗟に口にしかけた彼女の名前を必死にのみ込み背を向ける。

 嘘だろ。なんで彼女がここに。
 激しくうろたえながら、真帆ちゃんを見る。