照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 にもかかわらず一年前、真帆ちゃんが東京で結婚したと聞いたときは、祝福する気持ちよりもさみしさが先に込み上げ、未だに初恋を忘れられずにいる自分に戸惑った。

『大好きな真帆ちゃんが幸せになることは、俺にとってもうれしいことだ』と自分に言い聞かせ、なんとか気持ちを整理したのに、まさか離婚して戻ってくるなんて……。

 驚きでなにも言えずにいる俺を見て、涼成が『よかったな』とにやにや笑った。

『なに言ってんだ。よくないだろ』と慌てて顔をしかめる。
『なんで? お前姉ちゃんのこと好きだったじゃん』

 隠していた恋心を言い当てられ、取り乱して激しく咳き込んだ。

『な、なんでそのことっ』
『バレバレなんだよ。見てればわかる』
『バレバレって、もしかして真帆ちゃんにも……?』
『それは大丈夫。姉ちゃんは鈍感だから、気付くはずねぇ』

 その言葉にほっと胸をなでおろし、なんとか平常心を取り戻す。