照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 そんな理由で女の子たちは俺に愛想をつかし去っていった。

 口では『海斗くん大好き』と言いながら、裏で俺の友達と浮気していた子もいた。

 ショックを受け理由を聞くと、『なに考えてるのかわからないし、一緒にいてもただ黙ってたいくつそうにしてる海斗くんが悪いんだよ』と反対に責められ困惑した。

 彼女のことはちゃんと好きだったし、誠実に付き合っていたつもりなのに、俺の気持ちは相手に伝わらないらしい。

 その事実に傷つき、自分に恋愛は向いていないんだとあきらめた。そして、十年間彼女がいないまま現在に至る。

 恋人はいないが、俺にはやりがいのある仕事がある。生まれ育った街の平和を守り、困っている人を助ける、そんな頼もしい警察官になるんだ。

 そう思い仕事に打ち込む日々は、それなりに充実していた。

 けれど、一カ月前に涼成から『姉ちゃんが離婚してこっちに戻ってくる』と聞かされたとき、胸が激しく騒いだ。

 十六年前、駅で見送ったあの日から、真帆ちゃんには一度も会っていなかった。