照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 彼女が地元を離れるとき、居ても立っても居られなくて、駅まで見送りにいった。

 今までたくさん優しくしてくれてありがとう。真帆ちゃんに会えなくなるのがさみしい。本当はずっとずっと好きだった。

 そんな言葉が次々と頭に浮かんだけれど、どれも口には出せなかった。

 これから東京で大学生活を始める彼女に対し、ようやく小学校を卒業する自分。年齢は無理でもせめて身長くらいは追いつきたいと牛乳をたくさん飲んでいたのに、努力もむなしく俺は小柄なままだった。

 そんな俺が告白したって、まともに相手にされるわけがない。

 結局、なにも伝えられないまま別れたのが十六年前。

 皮肉なことに真帆ちゃんがいなくなった直後から急に身長が伸び、高校生のときに百八十五センチになった。

 背が高いと目立つのか、女の子たちから声をかけられるようになった。
 学生時代に何度か恋人ができたけれど、結果はいつも同じ。

『無口で無愛想で、一緒にいても楽しくない』