照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 鬼なんかじゃない。すごく綺麗でかわいい。
 そう思ったけど、うまく言葉にできなかった。視線を落としたまま小さくうなずく。

 ドキドキとうるさい心臓の音を聞きながら、どうして自分がこんなに動揺しているのかわからず混乱した。


 真帆ちゃんに憧れを抱いたものの、学生の頃の六歳差はとてつもなく大きかった。

 ランドセルを背負った小学生の俺が、高校生の真帆ちゃんに相手にしてもらえるわけがない。それに俺は背の順番でいつも一番目か二番目になるほど小柄で、真帆ちゃんにも完全に弟扱いされていた。

 憧れと劣等感とで真帆ちゃんを前にするとうまく話せなくなり、そんな不器用な自分にさらに自己嫌悪が込み上げる。

 けれど真帆ちゃんは、無口でかわいげのない俺にもとても優しくしてくれた。

 夜はひとりでコンビニのお弁当を食べていると言うと、わざわざ俺の父親に許可を取り、『一緒に夕食を食べよう』と誘ってくれた。