真帆ちゃんは初めて家に遊びにきた俺を見下ろし、柔らかく微笑む。
彼女と目が合った瞬間、頬が熱くなり言葉が出なくなった。
どうしていいのかわからなくて、咄嗟に涼成の後ろに隠れる。そんな俺の反応を見て、涼成が勝ち誇ったように笑った。
『姉ちゃんが鬼だから、海斗が怖がってんじゃん』
『は? 弟想いの優しい私のどこが鬼なのよ』
『ほら、その顔ほんと鬼。そんなんだから、男が寄ってこねぇんだぞ』
『大きなお世話だから。私は涼成の面倒を見るので忙しくて、彼氏を作る暇なんてないの』
『それこそ大きなお世話だっつーの。もう子どもじゃねぇんだから、俺なんて放っておいて好きなことしろよ』
そんな言い合いを始めたふたりに目を丸くしていると、気付いた彼女が体をかがめた。
小柄な俺と視線を合わせ、優しく笑う。
『驚かせてごめんね。うるさい家だけど、ゆっくりしていってね』
その笑顔を見て、胸を打つ鼓動が一気に速くなった。

