照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「困っている人を助けるのは、警察官として当然のことですから」

 その言葉から、彼のまっすぐな正義感が伝わってきた。

 あの小さかった海斗くんが、本当に立派な警察官になったんだな。子どもの巣立ちを見守るような誇らしさと、少しのさみしさが込み上げる。

「本当に、ありがとうございました」

 頭を下げて彼に背を向ける。

 部屋に入ろうとすると、「真帆ちゃん」と名前を呼ばれた。

「え、真帆ちゃんって……」

 私は足を止め振り返る。海斗くんがまっすぐにこちらを見ていた。

「さっきの男にしつこく付きまとわれるようだったら、迷惑なんて思わないで警察に相談していいから」

 あの頃とはちがう、低く落ち着いた大人の男性の声。だけど、私を気遣うその言葉に、幼い頃の彼の面影がぴったりと重なった。

 もしかして海斗くんは、最初から私に気付いていた?

 きょとんとしながら海斗くんを見上げていると、彼は表情を隠すように右手で制帽のつばに触れ、深くかぶり直す。