照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 こうやって近くで見ると、背中も肩幅もとても大きく頼もしかった。逆三角形のたくましい体つき。たぶん、私より三十センチ近く背が高い。

 夜の住宅街にふたりの靴音と、自転車のタイヤが回るカラカラという音が響く。



 そのまま無言で歩き続け、私のアパートに到着した。

「あの、ご迷惑をおかけしてすみませんでした」

 無事に帰ってこられたことにほっとしつつ頭を下げる。そんな私を見下ろし、海斗くんは静かに口を開いた。

「迷惑だなんて思わないでください」
「でも、パトロール中なのに寄り道して、怒られたりしませんか?」

 交番に戻った彼が上司に叱られでもしたら……。そう思うと申し訳なくなる。

 私が心配していると、海斗くんがぽつりとつぶやいた。

「……相変わらず、人に頼るの下手すぎ」

 ひとり言のようなその言葉に、目を瞬かせる。

「相変わらず?」

 私が首をかしげると、海斗くんは冷静な表情で「いえ」と首を横に振った。