照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

 海斗くんは被害に遭った年配の女性に近づき、大きな体をかがめ目線を合わせて声をかけていた。やりとりは聞こえないけど、その表情からは彼の優しさがにじみでていた。

 子どもの頃の海斗くんも、困っている人を気遣える優しい子だった。

 私が落ち込んでいたときに、なにも言わずそばにいてくれたことがあったっけ……と懐かしい記憶がよみがえる。

 ふたりで眺めた、夕暮れの川辺の景色をぼんやりと思い出し、ほっこりとした気分になった。
 あのとき彼はずっと無言だったけど、私を心配する気持ちが伝わってきて、ひとりじゃないんだと思えた。

 高校生だった私は、六歳も年下の海斗くんの不器用な優しさに救われたんだよなぁ。

 そんな海斗くんが、市民を守る頼もしいおまわりさんとして働く姿を見て、弟の成長を見るような、誇らしい気持ちになった。


 


 数日後。


 仕事帰りに歩いていると、アパートの近くで「こんばんは」と声をかけられた。