照れ屋な大崎くんは私のことが好きすぎる。

「海斗くんも立派になったねぇ。私も年を取るわけだわ」

 時間の流れを実感してため息をつく。そんな私を見て、涼成が「なんだその反応。お前は親戚のおばちゃんかよ」と眉をひそめた。

「いや、あの変貌っぷりは誰だって驚くでしょ」
「海斗くん。無口だけど頼れる男前のおまわりさんだって、地域のおばあちゃんたちに大人気なのよ」

 母の言葉を聞いて、おばあちゃんたちに囲まれる海斗くんの姿が頭に浮かぶ。
 口下手な彼が少し困りながらも誠実に対応しようとする様子が想像できて、思わず笑ってしまった。

「海斗くんは中学に上がったくらいから、急に背が伸びたんだよね」

 美雪ちゃんが陽太くんのご飯を用意しながら言う。美雪ちゃんと涼成は同級生なので、もちろん海斗くんとも知り合いだ。

「じゃあ、私が地元を離れたあとだね」

 私が高校を卒業するとき、小学六年生だった海斗くんは、上京する私を駅まで見送りに来てくれたっけ。

 駅のホームで目を真っ赤にしながら私を見上げる彼の顔を思い出す。