みんな、みんな…目の縁がじんわりと熱くなってくるのを止められない。

なんとも申し訳ないことに、接した憶えのない人の名前まであった。
『障害者雇用の社員のために、あちこちの部署を回っている姿を目にしました。自分は何もしてあげられませんでしたが、せめてサンクス大賞に投票することにしました』

そして———二階堂聡の名もそこにあった。
『橘明日美さんのD &I推進活動ふくめ、業務へのひたむきな姿勢とまっすぐな気持ちに胸打たれました。見てる人はいる、と伝えたいです』

「泣かないでよ、橘ちゃん。周りの人に気づかれちゃう」
美和子が困った声を出す。

そんなこと言ったって。これで泣かないなんて無理だ。

結局明日美は、涙が引っこむまでしばらくトイレにこもる羽目になった。
自分は忙しさやらを言い訳に投票せずに済ませてしまったのにと、無性に恥ずかしくなる。

次こそはと思うものの、感謝したい人が多すぎる。
それってなんて幸せなことなのだろう。