「言っておいて、できなかったらカッコ悪いから」

「かっこ悪いって…」

「男ってカッコつけたい生き物なんだ。特に気のある女性に対しては」

今とんでもないことをさらりと言われたような。
聞き返す勇気がない明日美である。
そもそもここは、社内の打ち合わせスペースで、今は二人とも勤務中だ。桃色の雰囲気に流されそうになる自分を、ぐっと押しとどめる。

「その話は、業務時間外にお願いします」
精一杯の余裕をよそおって微笑んでみせた。