続・幼なじみの不器用な愛し方

「冗談でこんなこと言わないよ。わたしだって、冗談にしていいことと悪いことの分別くらい……」

「やめてくれ!」


切羽詰まったような大きな声が、広いリビングに響き渡った。

思わず顔を上げると、近い距離で有斗と視線がぶつかった。

今にも(くずお)れてしまいそうなその姿に、高校時代、わたしのせいで有斗を傷つけ、すれ違った時のことが頭を過ぎる。

まさかまた、こんな顔をさせてしまう日が来るなんて思ってもみなかったよ。


「なんでいきなり、そんな話になんの? なんで俺達、プロポーズした次の日に別れるだなんて話してんの?」


両肩をぐっと掴まれて、わたしは思わず顔を歪めた。


「なぁ、美月。なんか言えよ」

「……っ」

「今更、俺達が離れられるって本気で思ってんの?」


泣かないように、下唇をぐっと噛んだ。

思ってない。そんなの少しも……思ってないよ。


「……25年だもんね。長いよね」


実家が隣のわたし達は、生まれる前から近くにいた。

幼少期から記憶を辿れば、いつだってそこには有斗がいて、有斗の記憶にはわたしがいる。

幼なじみの時も、恋人になってからも、数えきれないほどの時間を一緒に過ごしてきたね。