続・幼なじみの不器用な愛し方

「にしても、有斗くんの新居すごいねぇ。前のお家もだったけど、今回もさすがのセキュリティ」

「あれ、藤堂は来るの初めてだっけ?」

「うん。引っ越したって話は聞いてたけど」


前回4人で集まったのはどこかのお店だったっけ、と思考を巡らせる。

有斗が2LDKのこの家に居を構えたのは去年の夏頃だったけど、さすがに半年以上会っていないなんてことはない。


「まぁ、改めて。おめでとう、司、藤堂」


居住まいを正して、L字ソファに並んで座る2人に有斗が声を掛ける。

照れくさそうに頬を緩めるのは2人ともで、結子の薬指には前回会った時にはなかった婚約指輪が輝いていた。


──あれから、7年。

25歳になった結子とツジが、この春入籍する。


「ありがとう。引っ越しやら手続きやら、まだ全然落ち着かないけどな」

「目が回りそうって結子から泣きのメッセージ来てたもんね」

「急だったし、前のアパートの荷造り全然終わんなかったんだもん!」


泣きを入れつつ、結子が足元に置いた鞄からクリアファイルを取り出す。