続・幼なじみの不器用な愛し方

だって、そんなの、考えたことも……。


「ねぇ、今日はもう帰りなよ。わたしから先生に言っておくし、指輪だって探しておくから」

「でも、」

「そんな体調で仕事なんか出来ないでしょ。無理しないほうがいいよ」


呆然と立ち尽くすわたしの顔を、宮水がそっと覗き込んでくる。


「わたしが言ったことが間違ってても、確実に体調は悪いんでしょう。ちゃんと病院行って、診てもらいな」


宮水の瞳には心配が色濃く滲んでいて、わたしは力なく頷くことしかできなかった。




タイミングよく出勤してきた院長先生とリーダーである先輩に体調不良であることを告げると、快く帰らせてくれた。

予期せぬ指摘に混乱する頭の中で、色んな感情が吹き荒れては伸ばした手をすり抜けていく。


妊娠って……何それ。

わたしが? ありえないよ。

だって、毎回ちゃんとつけてるのに……。


そう思う一方で、気付いてしまう。

毎月安定してやってくるはずの生理が、先月は来ていなかったことに。