続・幼なじみの不器用な愛し方

明快に言ってのけた宮水は休憩室の机の上に鞄をドンと置いて、ベージュのマウンテンパーカーごと、腕を捲った。


「仕事熱心な先生には大変申し訳ありませんが、少し騒がしくします。すみませんが、同期のピンチなので許してください」

「え……どういうこと……?」


勢いのまま捜索に取り掛かろうとする宮水を、大橋先生が引き止める。

説明を求められわたしが答えると、大橋先生はようやく合点がいったという風に頷いた。


「だったら俺も手伝うよ」

「え、でも先生、何か仕事されてたんじゃ……」

「家じゃやる気出ないから、早くに来て論文読んでただけだよ。急ぎじゃないから、気にしないで」


すっかり捜索モードの2人に、わたしは胸がいっぱいになった。

自己嫌悪で押し潰されそうだったところに、優しさと思いやりが沁みる。


「ありがとう、ございます……」


更衣室には入れないからと、休憩室の捜索は大橋先生が買って出てくれた。

わたしと宮水は、改めて更衣室を探す。


「何かの拍子に落ちて、どこかに入り込んじゃったのかなぁ……」