軽くシャワーを浴びてから彼の元へ向かうと、コーヒーの芳ばしい香りが開放感のあるリビングに充満していた。
ダイニングテーブルの上にはお皿に盛られたイチゴがあって、思わず目を輝かせた。
そんなわたしを見て、彼が目を細める。
「さっき司から連絡あって、11時半には着くって。朝メシ食うには遅いけど、小腹空くだろうから洗っといた」
「ありがと。食べたかったんだよね、イチゴ」
「それはよかった」
冷蔵庫にまだあるぞ、と言いつつ彼はコーヒーの入ったマグカップに手を伸ばす。
その様子をイチゴを頬張りながら盗み見た。なんてことない仕草ですら絵になるのだから、この男はずるいと思う。
時には変身スーツを着て闘ったり、時にはヒロインを真っ直ぐに想う男子高校生になったり、時には難事件に挑む警察組織の一員となったりして、世間に名を轟かせている彼は──わたし、秋山美月にとってはたった1人の恋人だ。
元々はただの幼なじみだったわたし達。
実家が隣同士で、お母さんのお腹の中にいた頃からの付き合い。いわゆる、腐れ縁ってやつだ。
そんな腐れ縁が形を変えたのは高校3年生の時。何やかんやあって(前作『幼なじみの不器用な愛し方』参照)、幼なじみは恋人になった。
ダイニングテーブルの上にはお皿に盛られたイチゴがあって、思わず目を輝かせた。
そんなわたしを見て、彼が目を細める。
「さっき司から連絡あって、11時半には着くって。朝メシ食うには遅いけど、小腹空くだろうから洗っといた」
「ありがと。食べたかったんだよね、イチゴ」
「それはよかった」
冷蔵庫にまだあるぞ、と言いつつ彼はコーヒーの入ったマグカップに手を伸ばす。
その様子をイチゴを頬張りながら盗み見た。なんてことない仕草ですら絵になるのだから、この男はずるいと思う。
時には変身スーツを着て闘ったり、時にはヒロインを真っ直ぐに想う男子高校生になったり、時には難事件に挑む警察組織の一員となったりして、世間に名を轟かせている彼は──わたし、秋山美月にとってはたった1人の恋人だ。
元々はただの幼なじみだったわたし達。
実家が隣同士で、お母さんのお腹の中にいた頃からの付き合い。いわゆる、腐れ縁ってやつだ。
そんな腐れ縁が形を変えたのは高校3年生の時。何やかんやあって(前作『幼なじみの不器用な愛し方』参照)、幼なじみは恋人になった。



