続・幼なじみの不器用な愛し方

「お腹空いたー」


時刻はちょうど12時になる頃だ。

エコー写真をカバンの中に仕舞い、少し足を伸ばしていつものパン屋さんを目指す。

前方に駅が見えてきた時、駅前がいつもより賑やかなことに気が付いた。

鮮やかな色の幟と、同じくはっきりとした色合いの襷を掛けた男性。


「……そっか、もうすぐ選挙か」


さっきバスに乗っていた時も、選挙カーとすれ違ったっけ。

部屋にテレビがないので最近のニュースに明るくはないけれど、街を見渡せば選挙ポスターが張り出されていたり選挙カーが走っていたりと、情報は目に入ってくる。


揃いのポロシャツを着た支援者らしき人と、恐らく立候補者である恰幅のいい男性を横目に駅前を通り過ぎ、いつものパン屋さんに向かった。




今日はサラダチキンのカスクートとクロワッサンを買った。

盛夏も過ぎ、幾分涼しくなった土手の空いたベンチに座り、カスクートから頬張る。


「ん……!」


大当たりだ。

あのパン屋さんでカスクートを買うのは初めてだったけど、とっても美味しい。

他にも何種類かあったから、別の味も試してみたいなぁ。


カスクートが結構ボリューミーだったので、クロワッサンは持ち帰ることにする。