続・幼なじみの不器用な愛し方

ドライヤーの時間一つでも、短縮出来るに越したことはないはずだ。

そう思ってから行動に移すまではすぐだった。


「ええやん。ロングのイメージやったけど、ショートも悪くない」

「ほんとですか」

「うん。それに、最近の秋山さん、吹っ切れたように見える」


石田さんの視線が、一瞬、わたしの胸元に落とされた。

そこにはネックレスにした指輪があって、そうして身に着けるようになった時、石田さんはすぐにそのことに気が付いてくれた。


「開き直ったら、すっきりしちゃって。石田さんが聞いてくれたおかげです」


忘れよう、忘れなくちゃ。そう思うほどに、出口の見えない迷路の中をぐるぐると歩くような感じで苦しかった。

覚悟なんて立派なものじゃない。ただ、忘れられないなら仕方ないと開き直ったら、随分息がしやすくなった。


「それやったらよかったわ」


石田さんは一瞬表情を和らげて、ほぼ定位置になっているテーブルへと歩いていった。




川沿いの道を歩きながら、さっきもらったばかりの白黒のエコー写真を眺める。

まめちゃんはすくすく育ってくれていて、日に日に愛おしさが増していく。

頻繁にお腹が張るけれど問題ない範囲とのことなので、わたしは胸を撫で下ろした。