続・幼なじみの不器用な愛し方

と、首元でカチリと金属がぶつかる音がした。

ぼんやりと照明を見つめていたわたしは、お腹に添えていた右手の指をそれにかけて持ち上げる。


「……」


首元、顔から近い位置に輝くのは、宮水と大橋先生が届けてくれたあの指輪だ。


悩んで迷って、それでもあの日々は宝物だと思った。あの頃の思い出を捨てることなんて出来るはずもなかった。

だから、お守りにすることにしたんだ。

シルバーのチェーンを通し、ネックレスにして。

いつでも、あの日々を思い出して強くいられるようにと。


張りが治ってきたお腹は、今度は中からぐにぐにと蹴られている。

さっきまでは大人しかったのに、いきなり活発に動き出したまめちゃん。

不甲斐ないママのお腹の中でも、まめちゃんは順調に大きくなってくれている。


「まめちゃんのためにも、しっかりしなきゃね」


起き上がってお腹に話しかけると、返事をするようにまめちゃんがお腹の内側を蹴った。




「うわ、びっくりした」


時計の針がてっぺんを指す頃、1階の扉を開けると、カウンターの内側に座っていた石田さんがわたしを見るなり素っ頓狂な声を上げた。

メガネの向こうで目を見開き、その瞳にわたしの姿を映している。