続・幼なじみの不器用な愛し方

わたし1人では、こんなにもスムーズにまめちゃんを迎え入れる準備は出来なかった。

本当に、このお2人にはお世話になりっぱなしだ。


「明海さん、お忙しいのに本当にありがとうございました」

「いえいえ。うちには子どもがおらんから、娘とお買い物してるような気分になれて嬉しかったわ」


そう言って、明海さんが柔らかく笑う。


「生まれる前でも生まれてからでも、必要なら車出すからね。わたしが無理なら、智くんが運転するから。いつでも言って」

「明海さん、せめて俺に断ってから言ってそれ」


石田さんのツッコミを、明海さんは華麗にスルーする。

疲れたと思うから今日はゆっくり休んでね、と言い残して、明海さんは車を走らせて去っていった。


「ったく、あの人は……」


アパートの入口前で、石田さんが呆れたように首の後ろを搔く。


「ほんと、明海さんってお母さんみたいですね」

「京都育ちらしいけど、信じられへん。仕事でのキャラはわかるけど、素はどちらかと言うと大阪のオカンやろ」


わたしにはその違いがよくわからないけれど、お隣同士でも県民性というのは微妙に異なるらしい。

なんでもない会話を交わしつつ、階段を上る。