続・幼なじみの不器用な愛し方

9月に入っても日差しの強さは一向に弱まることはなく、妊娠28週を過ぎた妊婦にはまだまだ厳しい暑さが続いていた。


「買い忘れたものはない?」


カートに乗っていた荷物を全て車に積み終え、明海さんが顔を上げた。

わたしはお腹に手を添えながら、顎を引く。


「はい、一通りは買えたと思います」

「じゃあ、帰りましょうか」


わたしを助手席に乗せるよう促してから、空になったカートを駐車場の返却口まで戻しに行く明海さん。

じりじりと灼かれるアスファルトの上を颯爽と歩いていく後ろ姿を、わたしは頭が上がらない思いで見つめた。


今日の予定が組まれたのは、つい先日のこと。

キルシュにやってきた明海さんは、わたしが妊娠後期に突入したと知るや否や、出産準備について訊ねてきた。

入院バッグは準備しているものの、ベビー用品はリストアップするに留まっていてまだ買い揃えていない。

そのことを伝えたところ、明海さんはさっと表情を変えた。


『予定日通りに生まれてくるとも限らんし、美月ちゃんは特に1人やねんから、早く揃えといたほうがいいんじゃない?』


予定日は11月下旬。だけど、それよりも早く生まれてくる可能性だって十分にあるのだ。