続・幼なじみの不器用な愛し方

「もうおらへんことを認識させられる度、さくらの存在がデカくなってるような気すらする。きっつい思い出すら、宝物みたいに感じる。

相手のことを好きなまま別れるって、ある意味、呪いみたいなもんやでな」


確かにそうだな、と思った。

逃れようと思えば思うほど、雁字搦めになって逃げられなくなる。


この想いが呪いになるのなら、心のままに殉じよう。

思い出に昇華出来なくたって、まるごと受け入れよう。

昨日も今日も、きっと明日も、わたしは有斗のことが好きなのだ。


「しんどくても、まぁ落ち込まんでええよ。先達がここにおるから」

「あはは。頼りになります」


涙を流したから、素直に笑えた。

濡れた頬をぐいっと拭い、大きな口を開けてロールケーキを食べた。

苺の甘酸っぱさとクリームの甘さが混ざって、わたしを満たしていく。


既に完食していた石田さんは、もぐもぐとケーキを頬張るわたしを、テーブルに頬杖をついて眺めていた。