それから、ぽつぽつと話をした。
相手の正体を伏せて、それ以外の一切をほぼ全て。
わたしの話が一区切りつくと、静かな空気の中に深く長いため息が落とされた。
びくりと肩を震わせ、顔を上げてハッとする。
「なんて言うか……案外アホなんやな、秋山さん」
言葉とは裏腹に、声色も視線も優しかった。
表面張力で堪えていたコップに、最後の一滴が注ぎ込まれるような。
「アホやと思うけど、偉かったな。1人で全部背負うの、キツかったやろ」
緊張が解けたように、涙がじわりと視界を覆った。
堪える間もなく、淵から雫が転がり落ちる。
あぁ、もう、言葉にしてもいいかな。
「さよならするって……わたしが決めたから。泣くのはずるいと思ってて。泣いて、この選択が間違いだったって思うことも嫌で」
だから、1人でいても、有斗を思い出して切なくなっても、泣かないように歯を食いしばって堪えていた。
有斗のことを思って離れたことを、間違いじゃなかったと思いたくて。
離れることでしか、有斗とまめちゃん、2人を守れないと思ったから。
「間違いだったとは思ってないんです。わたしに出来る精一杯だったって、今でも」
「うん」
「でも本当は……わたしの手に、負えなかった」
相手の正体を伏せて、それ以外の一切をほぼ全て。
わたしの話が一区切りつくと、静かな空気の中に深く長いため息が落とされた。
びくりと肩を震わせ、顔を上げてハッとする。
「なんて言うか……案外アホなんやな、秋山さん」
言葉とは裏腹に、声色も視線も優しかった。
表面張力で堪えていたコップに、最後の一滴が注ぎ込まれるような。
「アホやと思うけど、偉かったな。1人で全部背負うの、キツかったやろ」
緊張が解けたように、涙がじわりと視界を覆った。
堪える間もなく、淵から雫が転がり落ちる。
あぁ、もう、言葉にしてもいいかな。
「さよならするって……わたしが決めたから。泣くのはずるいと思ってて。泣いて、この選択が間違いだったって思うことも嫌で」
だから、1人でいても、有斗を思い出して切なくなっても、泣かないように歯を食いしばって堪えていた。
有斗のことを思って離れたことを、間違いじゃなかったと思いたくて。
離れることでしか、有斗とまめちゃん、2人を守れないと思ったから。
「間違いだったとは思ってないんです。わたしに出来る精一杯だったって、今でも」
「うん」
「でも本当は……わたしの手に、負えなかった」



