続・幼なじみの不器用な愛し方

「あ、そうだ。1階の鍵開けるなら、後で伺ってもいいですか? 読みかけの本、カウンターに置いてきちゃって」

「いいよ。15分くらいしたら下行くと思うから、カーテン閉めてるけど好きに入ってきて」

「ありがとうございます」


また後で。と、石田さんと廊下で別れる。

玄関で靴を脱ぎ、部屋に入るとクーラーの冷たい風が空気に包まれて、一気に汗が引いていく。


「いてて……」


25週になったお腹はもう誰が見ても妊婦とわかる大きさで、腰から背中にかけて痛みを感じることが増えた。

荷物をテーブルの上に置き、腰に手を当てつつ椅子に座る。

と同時に、別れ際に大橋先生から渡された紙袋の存在を思い出す。


「なんなんだろ……」


紙袋は持って行っていたトートバッグの中に入れてあるので、座ったまま鞄に手を伸ばした。

紙袋の中には、シンプルな封筒と、アイシャドウなんかを買った時についてくる布製の袋が入っていた。


「電話してって言ってたけど……まだ新幹線に乗ってる時間だしなぁ」


独り言ちながら封筒を開けると、懐かしさすら感じる宮水の字が目に飛び込んできた。