続・幼なじみの不器用な愛し方

周りにはたくさんのお客さんがいて、ここで泣いてはいけないと思うのに、一度壊れた決壊はすぐには直ってくれない。


「やばい、ここで差し出すティッシュがない。ハンカチならあるけど、さすがに1日使ったやつ渡せないよ」

「あ、俺待ってるよ」

「えっ、大橋先生さすがすぎるんだけど」

「でしょ? もっと言って」


そんな台詞と共にテーブルの向こうから差し出されたティッシュは、鼻に優しいタイプのいいやつだった。

販促で配っているポケットティッシュじゃないところが何だか面白くて、思わず笑ってしまう。


「え、何? 何にウケた?」

「いや……ちゃんと買ったポケットティッシュなんだなって」

「えぇ、そこ? 今年の花粉の時期に鼻荒れてから、ティッシュはいいやつ使うようになったんだよ〜」

「あぁ、花粉の時期苦しそうにしてましたね」


いっぱい使っていいからねと言ってもらったので、遠慮なく2枚ほど抜き取らせてもらい涙を拭う。

その間も2人は絶妙なテンポで軽口を叩き合っていて、わたしはめそめそ泣いている暇などなかった。




翌日。少し早めの時間に京都駅に集合し、一緒にお昼を食べた。

店を出て、新幹線の乗り口へと向かう。