続・幼なじみの不器用な愛し方

ひゅ、と喉の奥で音が鳴る。

息の仕方が、わからなくなった。


「梵ほのかと神崎有斗って、前に熱愛出てなかったっけ?」

「そう! すぐに否定しとったけど、写真撮られてるし怪しいやん。やのに、また共演するんやーって思って」

「あー……確かに。どうしてもチラつくよな」

「そうやねん。あたし昔から神崎有斗好きやからさ、報道出た時めっちゃ凹んだもん」


それ以降インスタの更新ぜんぜんないしさー、剱持風馬が出るのは嬉しいけどなー、と2人の会話はその後も続く。

途中のバス停で彼女達が降りていくまで、俯き、唇を噛み締めて耐えていた。




「……秋山さんも、デッドライン前なん?」


ふらりと現れたわたしの顔を見て、石田さんは苦笑した。


「……あそこまで酷い顔してないです」

「えらい言い様やな。喧嘩なら買うで」


まぁ座り、と促してくれたので素直に従った。

行きがけに見た時は数人いたお客さんも、今は1人もいない。


今日はお手伝いなしの約束で、まっすぐに家に帰るつもりだった。

帰って、読んでいる推理小説の事件解決を見届けるつもりだった。

それなのに……。


「ココアかカフェインレスコーヒー、どっちがいい?」