続・幼なじみの不器用な愛し方

袋に視線を落としながら、頭の中には彼の姿が思い浮かぶ。


『どうしても食べたくなって買ってきた。一緒に食おうぜ』


洋菓子を食べることが少なくなった有斗は、どうしても甘いものが食べたくなった時、和菓子をよく買って帰ってきた。

中でも好きなのが外郎で、わたしには昔から大好物の草餅を買ってきてくれた。


「……」


いつも、ひと口交換しようって言って食べてたっけ。

じゃんけんで負けた方がお茶を淹れる決まりで、大体有斗が負けるの。

懐かしいなぁ……と思い返しながら、胸の奥が鈍く痛む。


有斗と別れて、もう3ヶ月。

別れたことを後悔はしていない。

けれど有斗との思い出が色鮮やかに蘇るたびに、少しも思い出になど出来ていないのだと痛感していた。




妊娠22週目を迎え、お腹はかなり目立つようになった。

まだまだ小さい赤ちゃんだけれど、もし仮に出てきてしまったとしても、22週目以降では「流産」ではなく「早産」として扱われるらしい。

医療的サポートを受けられるようになる週数として、1つの節目なのだそうだ。


「まめちゃん、元気だねぇ」


痛む腰を摩りながら、お腹に声を掛ける。