──同じ頃、2年の教室。 「結城ってさ、昨日1年の子庇ってたんでしょ?」 「電車で一緒だったって話、めっちゃ広がってるよ」 何気ない会話が飛び交う中、美月はノートをめくる手を止めた。 前に、煌大が見せたあの表情を思い出す。 頭に手を置いた、あの一瞬の顔。 (……あの子、やっぱり目立ってきた) 胸の奥で、小さなざわめきが広がる。 (煌大があんな顔をするなんて。……負けたくないな) 表情は崩さず、そっと唇を結んだ。 誰にも気づかれないように、ペン先を再び滑らせる。 ⸻