心が勝手に動く。 笑顔を見たいと思う。 困っていたら助けたいと思う。 泣きそうな顔をさせたくないと思う。 その感情が揺るがぬものだと、もうはっきり分かってしまった。 どれだけ理屈を並べても、別の誰かを思い浮かべようとしても、全部無駄だと分かるくらいには。 ──その夜、眠りにつくまで。 胸の奥で何度も、同じ言葉が繰り返されていた。 (俺は、長谷川翠が好きだ) それを認めた瞬間、やっと深く息が吸えた気がした。 ____