その日の部活

「すずめ、れむちゃんに聞いちゃった、可愛いところあるじゃん!」

しおん先輩からいきなり話しかけられた

というか、いきなり全部筒抜けだった

普通に先輩のが可愛いし、近い、は?、可愛い

じゃなくて

「無理にとは言わないけどさ、たまには駅まででいいから一緒に帰ろ?少なくとも来年までは一緒に部活やらなきゃなんだし、いつまでもその調子じゃね?」

先輩の言葉に恥ずかしさと嬉しさで顔が熱くなる

ヤバい、絶対今ニヤけてる

あんな中途半端な断り方したのに嫌われてない所かまた誘って貰えるなんて

嬉しくて仕方ない

だから今回は

「タイミング合えばお願いします」



やっぱり私って馬鹿だと思う

「ねえ、やっぱり塩じゃん!みんななんですずめが私のこと好きみたいなこと言うわけ?ねえ?」

私の答えに周りの部員に文句を言い出すしおん先輩

そのちょっと怒ってる様子すら愛おしい。神

本当にこんなにも可愛らしい生き物を産んでくれたご両親に感謝したい、ありがとうございます!

じゃなくて

「いや、その、別に一緒に帰るのが嫌とかじゃなくて、先輩に気を使わせてしまってるんじゃないかとか、そういう、」

とりあえず早めに誤解は解かなくてはと思って慌てて補足する

いや、わかるよ?言いたいことは、必死乙って感じだよね、わかる

「ほら、こういうとこですよ、すずめって考えすぎというか謙虚というか、控えめなんでなんだかんだ、だから色々考えすぎて先輩には塩になってるだけです」

「本当に?」

そんな私を見かねてフォローまで部員にしてもらったのに

まだ先輩からの疑いは晴れないみたい

もう無理じゃん