「え?あ、ごめん…ちょっとからかいすぎたかも」

そう言ってやっと離れてくれる先輩

でももう私は先輩を見る余裕すらない

それでも今こうやって離れてしまったことに少しだけ寂しさを感じる

「ごめんなさい、ちょっと…冷静に、頭冷やしたいんで…先帰ってもらっててもいいですか?」

でも今この状況でこのまま駅までとはいえ一緒に歩ける自信が全くなかった

まだ顔も体も熱い

「う、うん、そうだよね、ほんと、ごめんね?気を付けて帰るんだよ?」

それでも最後まで優しい先輩の言葉に泣きそうになる

「すいません、先輩も気をつけて…」

その顔すら先輩に見せたくなくて

今先輩がどんな顔をしているのか

今の私が知るよしはなかった