【書籍化・タイトル改め】無能令嬢と追放しても構いませんが、後悔しても知りませんよ? ~義家族の皆様、どうぞ最高の終焉を~

今日はウィレムとミリアムの結婚式だ。

ウルリカからベールダウンを受けたミリアムは、二人の父に両側からエスコートされて教会の扉の前に立った。
教会の扉が開き、パイプオルガンの厳かな音楽が流れ始める。

嗚咽を漏らすヘンドリックスを、エルネストが苦笑いで見つめながらバージンロードを進む。
その先で、滂沱の涙を流す花婿のウィレムを、肩をバンバン叩きながら国王が笑っている。

王妃と王弟妃、王太子夫妻がその光景を微笑ましく眺めている。

ここはみんなが温かい。
その温かさと優しさを、ミリアムは噛み締める。

みんなの祝福に包まれ、金の魔法使いのミリアムは、祭壇の前で待つ銀の魔法使いのウィレムと、永遠の愛を誓ったのだ。