弱さを知る強さ


◯あやは◯

横になってと言われたけどドキドキしてゆっくりできない
部屋には誰もいなくなって15分

誰もきてくれないしひとりぼっち

今から金森先生がくるの?
私どんな顔して会えばいいの?

2ヶ月ぶりでお腹の調子も悪いし絶対に怒られる

気が重い...

「ただいま」

お父さんの声がする
出張から帰ってきたんだ

...トントントン

部屋をノックされた

「はい」

「こんばんは、久しぶりだねあやはちゃん」

「すみません、急に来て」

「来てくれて嬉しいよ
ごめんね、タイミング悪く出張で」

「いえ」

「聡にも母さんにも散々言われただろうから俺からは敢えて体調のことはなにも聞かないけど
でもクリニックに来てくれてありがとう」

「えっ?」

診療時間外でてっきりめんどくさがられてると思っていた
ありがとうだなんて...

「ご飯もみんなで食べれる
賑やかで嬉しいよ」

金森先生のお父さんは本当に優しくて温かい

私の家族も生きてたらこんなに素敵な家庭を築けたのかな

「...はぁ」

自然とため息がでる

「おつー」

扉が開いた音がしたと同時に大きな声も聞こえた

「あっ、大和もきたね」

私でもわかる
2番目のお兄ちゃん

「あやはちゃーーーん!」

ドアをすごい勢いで開けて入ってきた

「うるさいよ、大和」

隣の部屋からお母さんの声が聞こえる

「久しぶりだね、あやはちゃん、元気だった?」

「元気に見えるのか」

次は隣から聡お兄さんの声が聞こえる

「ははっ2階で着替えて準備してくるからあやはちゃんゆっくりしてて」

「はい」

お父さんが診察室を出て2階に上がった

部屋には大和お兄ちゃんと2人きり

「恭介と喧嘩したの?」

「...いやっ」

「なになに?気になる
恭介やめとけよ
俺が病気みてあげる」

「お前、消化器専攻してないだろ」

また隣から声が...
こっちの部屋に来ればいいのに

少し会話をしていたらクリニックの扉の開く音がした

きた...