弱さを知る強さ


◯あやは◯

金森先生に連れられて処置室にきて
先生はすぐにどっかいった

実習中なのに何してるんだろう私

もう何でこんな弱い身体なの
嫌になっちゃう

点滴の準備をしてすぐ戻ってきた

「横になれ」

何で金森先生は私の邪魔をするの

「嫌だ!もうほっといて」

「早くしろ」

「うざいきもい触らないで」

「お前が昼、俺を求めて医局まできたんだろ」

「あの時間は休憩だったから...
お腹も痛かったし
でも先生が忙しかったから仕方ない」

「だから今迎えに行っただろ」

「タイミングが悪いって言ってんの」

「俺、仕事中なんだから合わせろよ」

「は?私だって人生がかかった大事な実習中なんだけど」

「俺は患者の命かかってんの」

「...」

「早くしろよ俺の時間は有限なんだよ」

意味がわからない
じゃ私の時間はどうだっていいんだ

「戻る」

「早く横になれよ」

部屋を出ようとしたのに腕を掴まれて引っ張られた

「もういい、ほっといて」

「点滴終わるまで戻さない、逃げるなら拘束してでもやるから」

「離してってば!」

男の人の力には勝てない

ナースコールを押された

「金森です、身体拘束したいので処置室に持ってきてください
あと鎮静も」

「やめて、本当にやめて」

「じゃ大人しくやれよ」

「戻るから離して」

「持ってきましたけど...」

男性看護師が拘束と鎮静の点滴を持ってきた

「つけて」

「はい
ちょっとごめんね〜
先生、四肢でいいんですよね?」

「うん、あとベルトも」

「わかりました」

あっという間に縛られて動けなくなった

「...やめて...はぁ...はぁ...やめて」

「点滴終わったら外すから」

一瞬で点滴を刺され薬が体内に入っていく

そして動けない

「鎮静剤入れてるから寝てろ
点滴終わった頃くるから」

先生が出て行った

ありえない

「...はぁ...はぁ...はぁ」

こんなことする人だと思わなかった

吐き気がやばい
のに吐くところもないから吐けないし
動けない

ナースコールもない

先生も呼べない

...はぁ
...はぁ

...はぁ

呼吸ができなくなる
息が吸えない

助けて...助けて...

頭が回らなくなって意識がなくなった