あいつは今どこの病棟で実習してるのか今朝、聞くの忘れてた
6階の急性期病棟に実習生がいると病棟の看護師に聞いて一個降りると...いた
春樹が言っていた通り顔色が悪く覇気もない
「おい」
お腹が痛いのか実習生控え室で1人座っているあやはに声をかけた
「...金森先生」
「一本点滴打ちに行くぞ」
「行かない、いま実習中だから」
「実習終わるまではもたない」
「大丈夫」
「俺が大丈夫じゃないと判断してる」
手を引いて連れ行こうとしたが払われた
「ねぇ本当に単位取れないんだって、やめて」
「ちょっと抜けるだけだろ」
「それがダメなの」
「みんなの前で倒れるよりはましだろ」
「お願い、先生」
「じゃなんでさっき医局まできた
もう痛みが限界なんだろ」
「休憩時間内にどうにかなればと思ったけど今は話が違う」
「俺だって暇じゃないんだからその時間空いてない時がある」
「だからもういいってば」
頑固すぎて埒が開かない
ナースステーションに向かった
「師長いますか?」
「はい」
「消化器の金森です」
「お疲れ様です」
「お疲れ様です
実習生の神田あやはなんですけど
少し借りてもいいですか?」
「え?」
「ちょっと時病あってしんどそうなので点滴一本打たせてください。そのあと戻ってくるんで」
「えっそうなんですか?
今日は無理せず帰ってもいいですよ」
「それだと単位が取れないそうで...」
「私が先生と相談して何とかします
とりあえず元気じゃないと看護はできないから」
「そうですよね...
僕もそう思います
ただ一旦、借ります」
「はい!」
いい看護師長だ
あやはのもとに戻ったがいない
逃げたな
近くを探しても見つからない
しばらく待っていると他の学生についていた学校の先生が控え室に戻ってきた
「金森先生、お久しぶりです」
いつもあやはと実習してる先生だ
あやはの病状も伝えてるし協力もお願いしている
「こんにちは、神田あやは探してるんですけど」
「神田さん何かありました?」
「ちょっとしんどそうなんで一本点滴打ちたくて」
「すみません気づきませんでした」
「さっき少し話してたんですけど目を離した隙にいなくなってどこ行きました?」
「患者さんのところかな?みてきます」
先生が見に行ってくれたら指導者の看護師と計画通りケアをしていたみたい
ひと段落つくまで待たせてもらって俺の患者のカルテを整理したてたら15分ほどで戻ってきた
「行くぞ」
「行かないって」
「いいからとりあえずこい!こんなところで怒られたいのか」
「何で怒られないといけないの」
「ここで実習してたことも隠してるし体調悪いのも隠してるし」
「別に隠してない」
「学校の先生に言ってないだろ」
廊下で言い合ってると師長や指導者、学校の先生がみんな出てきた
先生「神田さん行っておいで、今日は出席で大丈夫だから」
師長「うん、その状態で患者さんのケアできる?」
「できます」
師長「相当、顔色悪いよ?」
「いつもです」
「早く来いよ、こうやって言い合ってる時間が勿体無い」
「だから昼行った
もうどうしてみんなそうやって私ばっかり責めるの」
先生「責めてないよ、神田さん
みんな心配してるの」
「心配しないでください
大丈夫なんで、実習させてください」
「とりあえずこい」
強引に手を引いて7階の処置室まで引っ張って連れてきた
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