弱さを知る強さ


◎恭介◎

病棟がバタバタしていて今日は朝から忙しい

...プルルル

...プルルル

院内携帯がずっと鳴っている

「はい」

『恭介?春樹だけど』

「おう、どした?」

『神田さん、医局にお前探しに来てる』

「え?」

『顔色めちゃ悪い、体調相当悪いんだと思う』

「そこで待つように言って、あと30分くらいで戻れると思う」

『神田さん、30分くらいで戻るから待ってだって
...
...
休憩時間終わるから実習戻らないとだって』

「は?その体調で?」

『その体調で戻らない方がいいって言ってるよ
...
...

恭介、無理だわ俺には止められない』

「春樹今時間あんの?」

『俺?うん、いいよ』

「じゃ一本点滴ブッ刺して」

『えー俺には無理だよ、すぐ抜かれて終わる』

「電話変わって」

『電話変わってだって
...
もしもし』

「30分まて」

『...無理だよ、だっていま休憩中だしもう戻らないと』

「俺もすぐ戻れない」

『大丈夫、忙しいのにごめんね』

「じゃいま春樹に点滴うってもらえ」

『...無理』

「あやは」

『大丈夫だから、ありがとう
...
...
ありがとうございます
...
...
恭介?神田さん行っちゃった』

「わかった、ありがとう、後で病棟にいくわ」

『了解、ちょっと早めに行った方がいいかも
相当しんどそうだった』

「サンキューな」

『おう』

心配だけど今は病棟からでられない
自分の仕事とりあえず終わらせないと

急いで終わらしたけど時間が結構かかる

回診行ってカルテ確認して指示出しして
手が空いたのは春樹からの電話から1時間経っていた