弱さを知る強さ

重い腰を上げて
診察室のベッドに横になった

気持ち悪くならないように腕だけ出して
目を瞑った

「今日はやけに素直だな」

「明日、バイトいきたいから頑張る
早くやって」

「そんなにバイトが大事か?」

「生活がかかってるからね」

目を瞑ってるけど点滴の準備をしている音がする

ドキドキがすごい

「学費は奨学金か?」

「めちゃめちゃ勉強して特待生で入ったから学費は免除」

「お前頭いいんだな」

「まあね、ただ家賃とか光熱費とか教材費とかお金たくさんいるんだよ」

「はぁ...とりあえず点滴するぞ」

「...」

私の腕を触って血管を探して駆血帯をまく
消毒して針のカバを外してくるっ

チクッ

「...はぁ」

「平日は実習、土日はバイト、いつ休んでんの」

「...」