弱さを知る強さ


◯あやは◯

実習終わりに行くと条件を突きつけられて週2の受診を約束させられた
それで今まで通り実習ができて勉強もできるなら仕方ないと渋々呑んだ
確かにお腹も痛いしだんだん私生活に支障が出てきてるのも本当

「じゃあお腹の音聞かせて」

金森先生が聴診器を耳に当てて準備を始めた

無理だ私にはできない...
医療行為全てになんだかドキドキして心臓が止まりそう。

「嫌だ」

「は?」

「週2で通院とは言われたけど
何するかとかは条件にないでしょ」

「わかった、じゃ学校の先生に実習の中止を伝えてくるわ」

なんでそうなるの
私がどうせ説明してもわかってもらえない
だって私は看護学生
看護学生の立場で聴診器ごときにドキドキしてるなんて絶対馬鹿にされる

「わかったわかった
やるから...」

聴診器だけ
体に何か入れるんじゃない
大丈夫、大丈夫

そう私に言い聞かせて服をゆっくりあげた

「いいよ」

頭が真っ白で一瞬で終わった

「明日もここの4西で実習?」

「そう」

「週2の診察は何曜日と何曜日がいい?」

「今は疲れてるからそんな話したくない」

「じゃ次、何曜日にくる?」

「わかんない!」

「わかんないって約束しないと帰れないだろ」

「来れる時にくる」

「ダメ、ちゃんと約束して帰って」

「ねぇ、実習忙しいの
無理強いしてこないで」

「じゃしっかり治療するまで実習無許可出さない」

「チッ」

舌打ちをして金森先生を睨んで部屋を出た