弱さを知る強さ


◎恭介◎

次の日の朝、出勤前に携帯をみると
メッセージが一件きてた

【おはよう先生
今日は実習行ってくる、体調はよし
朝ごはんもパン食べた】


相変わらず実習生早い
それにしても向こうから連絡くるなんて
初めて会った時には考えられない
嬉しい

【気をつけて、無理はしないように】

返信をして俺も出勤した

その日の日中は連絡はなく
無事、実習を行えているんだろう

実習終えた時の連絡に反応できるように
プライベート用の携帯もポケットに入れて過ごした

17:00

...プルルル

プライベート用の携帯が鳴った

「はい」

『金森先生?』

「実習終わったか?」

『うん、いまから帰るところ』

「一階の消化器の診察室6ってところにきて」

『今日も記録があって早めに帰りたい』

「とりあえず来て」

『何分で終わる?』

「わからない」


今日は少し病気の話をするって決めていた

相手の出方でどれくらい時間かかるかなんてわからない
けど今日の俺は一歩も譲る気ない。
いくつか約束させて条件を出しながらこれからを考えさせる

『...わかった』

電話を切って5分ほど待った