◎恭介◎

次の日、日勤で出勤した

外来ではなく病棟にいる担当患者の対応や
救急に呼び出された時に行って対応したり
繰り返してるとあっという間に昼過ぎになった

「恭介お疲れ」

「おう」

同期の春樹だ
救急メインで毎日俺より忙しそう

「今日は日勤?」

「そう、春樹は?当直?」

「そうそう」

「お疲れだな」

「お互いな」

「こないだの神田さん大丈夫?」

「うん...」

「オペ適応な感じ?」

「なるべく早くしたいが
看護学生ってのもあるし実習や国試終わってからの方がいいのか今年は諦めさせてオペさせるか悩んでるんだ」

「難しいところだね」

「でも命を落としたら看護師どころじゃない」

「そうだな、本人はなんて言ってんの」

「少し考えさせてって言われた」

「そっか...」

話しながらお互い医局に戻るために
エレベーターを呼ぶと
実習中の看護学生数人と先生が先に乗っていた


神田あやはは今日はいないはず...
だか背丈がよく似てる子が端っこで下を向いている

目を細めてよくみても本人にしかみえない

俺は7階に用事がある
1階から上がって4階に止まった
ゾロゾロみんな降りて行く

「ストップ、待って」

昨日、4西に実習入ってるのも聞いていて
意を決して降りて行く彼女の腕をとって話しかけた

顔を下に向けたまま反応がない

ビンゴだ

「すみません、神田あやはさんの学校の先生ですか?」

一緒にエレベーターに乗っていた先生に声をかけた

「はい」

「話があります。少しお時間いただけますか?」

「はい」

驚いた顔で俺をみた。
あいつはまだ下を向いたまま

「春樹、じゃあまたな」

「おう」

俺は4階で一緒に降りた