入学式は知っていたとおり、ルリアンが新入生代表として挨拶をしていた。
王子だからと俺にならなくてよかった。首席でもないのに、あんな注目を浴びたくない。俺の名前は学園長がチラッと軽く触れただけだ。入学されましたと紹介されたので、その場でやぁやぁと手を上げて笑顔を振りまいておいた。
そのあたりもゲーム通りだ。
たとえ注目を浴びていても、ゲームのストーリー通りなら多少は安心できる。知っていることをなぞるだけなら簡単だ。
今は、俺一人で食堂へ向かっているところだ。リュークは学園を散策して、混雑していない時間を狙って行くと話していた。今頃、他のヒロインたちとの出会いイベントが発生しているのだろう。俺に彼女たちが紹介されるのは、そのあとだ。
今後のイベントを目の前で見るためにも、邪魔をしてはいけない。
「ちょっと、あなた!」
「うわぁ!」
ラビッツにいきなり話しかけられた。
こんなシーンあったかなと思い出そうとするも、よく考えるとゲームは主人公視点だ。主人公がウロウロしている間、俺がどこで何をしているかなんて、知ったこっちゃない。そうか……こうやって、ラビッツと会話をしていたのかもしれないな。
「どうした、俺の婚約者のラビッツ!」
親指を立てて明るく応える。
内心はこれでいいのかとヒヤヒヤだ。陽キャってこんな感じだよな? ニコラってこういうキャラだったよな?
「……ねぇ、あなた転生者でしょ」
「え」
笑顔のまま、固まってしまう。
えっと……俺の前世とは違う冴え渡った王子仕様の頭で考えよう。転生者だろうと指摘されたということは、ラビッツも転生者だということだ。
え、マジで。
つまり俺は……このまま俺様キャラのおバカ王子を演じると「頑張って演じてるんだー、痛い痛い」と思われるし、前世の素を出せば「陰キャ乙」と思われるわけで……え、詰んでね?
「な、なんでそう思うんだよ」
「ゲームよりあなた、痛いし」
心折れたよ!?
バキバキだよ!?
よく考えると、ゲームのニコラはあんな告白はしていなかった。さっきの一瞬のやり取りでバレたんだろう。
よし、反撃だ。
「お前こそ、さっきはゲームの台詞をわざわざ持ってくるなんてご苦労なことだな。ツンデレまで演じて、痛々しいにもほどがあるね」
「う……っく」
俺はその台詞にノックアウトされたんだけどな。あれは神がかっていた。まさにラビたんだ。
「し、しょうがないじゃない! あそこは、あの台詞しかないでしょう!」
おお、同志よ!
女の子でギャルゲーやってるなんて珍しいな。まぁ、ただのギャルゲーじゃなくて、感動して泣けるのが特徴の泣きゲーだからな。
仲間意識が湧いてきたぞ。
「それに……あ、あんただっておバカキャラやってるじゃない! 実際おバカのようだけど!」
「うるさいな。お前も実際ツンデレだろ! 前世でもツンツンして周りに引かれてたんじゃないのか」
「……!」
あ、ヤバイ。泣きそうにさせてしまった。ラビッツの心を俺に振り向かせなければと思っていたのに、煽りに乗ってしまった。間違いなく親密度は下降している。なんてことだ。せっかく仲間意識が芽生えたのに!
フォローだ!
どうにかフォローしないと!
王子だからと俺にならなくてよかった。首席でもないのに、あんな注目を浴びたくない。俺の名前は学園長がチラッと軽く触れただけだ。入学されましたと紹介されたので、その場でやぁやぁと手を上げて笑顔を振りまいておいた。
そのあたりもゲーム通りだ。
たとえ注目を浴びていても、ゲームのストーリー通りなら多少は安心できる。知っていることをなぞるだけなら簡単だ。
今は、俺一人で食堂へ向かっているところだ。リュークは学園を散策して、混雑していない時間を狙って行くと話していた。今頃、他のヒロインたちとの出会いイベントが発生しているのだろう。俺に彼女たちが紹介されるのは、そのあとだ。
今後のイベントを目の前で見るためにも、邪魔をしてはいけない。
「ちょっと、あなた!」
「うわぁ!」
ラビッツにいきなり話しかけられた。
こんなシーンあったかなと思い出そうとするも、よく考えるとゲームは主人公視点だ。主人公がウロウロしている間、俺がどこで何をしているかなんて、知ったこっちゃない。そうか……こうやって、ラビッツと会話をしていたのかもしれないな。
「どうした、俺の婚約者のラビッツ!」
親指を立てて明るく応える。
内心はこれでいいのかとヒヤヒヤだ。陽キャってこんな感じだよな? ニコラってこういうキャラだったよな?
「……ねぇ、あなた転生者でしょ」
「え」
笑顔のまま、固まってしまう。
えっと……俺の前世とは違う冴え渡った王子仕様の頭で考えよう。転生者だろうと指摘されたということは、ラビッツも転生者だということだ。
え、マジで。
つまり俺は……このまま俺様キャラのおバカ王子を演じると「頑張って演じてるんだー、痛い痛い」と思われるし、前世の素を出せば「陰キャ乙」と思われるわけで……え、詰んでね?
「な、なんでそう思うんだよ」
「ゲームよりあなた、痛いし」
心折れたよ!?
バキバキだよ!?
よく考えると、ゲームのニコラはあんな告白はしていなかった。さっきの一瞬のやり取りでバレたんだろう。
よし、反撃だ。
「お前こそ、さっきはゲームの台詞をわざわざ持ってくるなんてご苦労なことだな。ツンデレまで演じて、痛々しいにもほどがあるね」
「う……っく」
俺はその台詞にノックアウトされたんだけどな。あれは神がかっていた。まさにラビたんだ。
「し、しょうがないじゃない! あそこは、あの台詞しかないでしょう!」
おお、同志よ!
女の子でギャルゲーやってるなんて珍しいな。まぁ、ただのギャルゲーじゃなくて、感動して泣けるのが特徴の泣きゲーだからな。
仲間意識が湧いてきたぞ。
「それに……あ、あんただっておバカキャラやってるじゃない! 実際おバカのようだけど!」
「うるさいな。お前も実際ツンデレだろ! 前世でもツンツンして周りに引かれてたんじゃないのか」
「……!」
あ、ヤバイ。泣きそうにさせてしまった。ラビッツの心を俺に振り向かせなければと思っていたのに、煽りに乗ってしまった。間違いなく親密度は下降している。なんてことだ。せっかく仲間意識が芽生えたのに!
フォローだ!
どうにかフォローしないと!



