「口外禁止事項だ。皆も黙っておいてくれ。事実ではある。テレキネス能力者にのみメッセージを伝えることができる。ただし短文しか無理だ」
口外禁止の理由は知らされていないが、人というのは記録していないことを忘れやすい。ポンポンメッセージを複数の能力者と飛ばし合っていたら、忙殺されるだけでなく大事なことでも忘れてしまいそうだ。王子であることを考えると、黙っておいた方がよさそうではある。
オリヴィアにだけは、幼い頃に考えなしに言ってしまった。……ゲームのヒロインの一人だからな。オリヴィアルートの時も俺がその能力を使って、リュークと彼女の恋のキューピッドの役割を果たしていた。
そのあともいくつか質問を重ねたところで、オリヴィアが来た。
「待たせたわね」
「わーっはっはっは! 早速任務を遂行したようだな! ご苦労!」
顧問もいるじゃねーか。
「立っているのね。確かに人間みたい。その子には首輪をつけるわ」
「いやにゃん」
「人語を話す魔法の首輪よ」
「もうしゃべってるにゃん」
「そう人に思わせるためよ、つけなさい。ニコラ様、事情は」
「長年の夢が叶う直前に別世界から女神の助けでここに来たらしい。それ以外の質問ははぐらかして答えない。自由な食っちゃ寝生活をしたいニート希望の猫だよ」
「うにゃ!?」
「分かったわ、詳細は私が聞き出すことにする。来なさい」
「い、いやにゃん」
「駄目よ。早くこの首輪もつけて。そうでないとご飯をあげないわよ」
「いやにゃーん!」
不満げに身を震わせながらも、仕方なくラインストーンの施された赤い首輪を大人しくつけられている。圧力には屈するタイプか?
不安そうな茶トラ猫をオリヴィアが抱き上げた。
「ではね」
はえーよ!
「待ぁて待て待て待て! 顧問である俺がなんのためにここに来たと思っているんだ! ここは大事なところだぞ」
「……それなら、早くしてちょうだい」
「あらためて学園パトロール隊、メンバー六人と顧問の俺、そして一匹の猫で結成だな!」
パチパチパチパチ。
少しの間と、まばらな拍手。
――って、え? 保護するだけじゃないのか? 隊員に? 顧問がそう決めたということは……無害な猫ではあるんだろうな。
ほっとして胸を撫でおろす。
場合によっては、王家預かりで管理する必要があるかと思った。顧問とオリヴィアで話がついていそうだし、あとは任せよう。
「猫さん、名前はなんというんですか?」
――シーン。
「忘れたにゃん」
えー。
「それでは、なんと呼べばいいでしょう」
「なんでもいいにゃん。何を聞いてもしっくりこない気がするにゃん」
「では、トラちゃんにしますね!」
安易だ……。
茶トラ猫だからな。
「安っぽい名前にゃん」
「では、シュヴァンクアレハンドラ・イアロステルミナーレにします」
「……トラちゃんでいいにゃん」
ルリアンは、ゲームの通りにやっぱりすごくルリアンだな。
「えへへ。それではトラちゃんも一緒に、パトロール隊再結成です。えいえいお〜!」
「お〜!」
最後は皆ではもった。
ベル子がそのあとにまた、ゆったりえいえいおーを披露して、もう一度「お〜!」と笑い合う。
ま、オリヴィアは何も言わないけどな。
もう、どのシナリオもゲームの通りには進まないだろうなと思う。
口外禁止の理由は知らされていないが、人というのは記録していないことを忘れやすい。ポンポンメッセージを複数の能力者と飛ばし合っていたら、忙殺されるだけでなく大事なことでも忘れてしまいそうだ。王子であることを考えると、黙っておいた方がよさそうではある。
オリヴィアにだけは、幼い頃に考えなしに言ってしまった。……ゲームのヒロインの一人だからな。オリヴィアルートの時も俺がその能力を使って、リュークと彼女の恋のキューピッドの役割を果たしていた。
そのあともいくつか質問を重ねたところで、オリヴィアが来た。
「待たせたわね」
「わーっはっはっは! 早速任務を遂行したようだな! ご苦労!」
顧問もいるじゃねーか。
「立っているのね。確かに人間みたい。その子には首輪をつけるわ」
「いやにゃん」
「人語を話す魔法の首輪よ」
「もうしゃべってるにゃん」
「そう人に思わせるためよ、つけなさい。ニコラ様、事情は」
「長年の夢が叶う直前に別世界から女神の助けでここに来たらしい。それ以外の質問ははぐらかして答えない。自由な食っちゃ寝生活をしたいニート希望の猫だよ」
「うにゃ!?」
「分かったわ、詳細は私が聞き出すことにする。来なさい」
「い、いやにゃん」
「駄目よ。早くこの首輪もつけて。そうでないとご飯をあげないわよ」
「いやにゃーん!」
不満げに身を震わせながらも、仕方なくラインストーンの施された赤い首輪を大人しくつけられている。圧力には屈するタイプか?
不安そうな茶トラ猫をオリヴィアが抱き上げた。
「ではね」
はえーよ!
「待ぁて待て待て待て! 顧問である俺がなんのためにここに来たと思っているんだ! ここは大事なところだぞ」
「……それなら、早くしてちょうだい」
「あらためて学園パトロール隊、メンバー六人と顧問の俺、そして一匹の猫で結成だな!」
パチパチパチパチ。
少しの間と、まばらな拍手。
――って、え? 保護するだけじゃないのか? 隊員に? 顧問がそう決めたということは……無害な猫ではあるんだろうな。
ほっとして胸を撫でおろす。
場合によっては、王家預かりで管理する必要があるかと思った。顧問とオリヴィアで話がついていそうだし、あとは任せよう。
「猫さん、名前はなんというんですか?」
――シーン。
「忘れたにゃん」
えー。
「それでは、なんと呼べばいいでしょう」
「なんでもいいにゃん。何を聞いてもしっくりこない気がするにゃん」
「では、トラちゃんにしますね!」
安易だ……。
茶トラ猫だからな。
「安っぽい名前にゃん」
「では、シュヴァンクアレハンドラ・イアロステルミナーレにします」
「……トラちゃんでいいにゃん」
ルリアンは、ゲームの通りにやっぱりすごくルリアンだな。
「えへへ。それではトラちゃんも一緒に、パトロール隊再結成です。えいえいお〜!」
「お〜!」
最後は皆ではもった。
ベル子がそのあとにまた、ゆったりえいえいおーを披露して、もう一度「お〜!」と笑い合う。
ま、オリヴィアは何も言わないけどな。
もう、どのシナリオもゲームの通りには進まないだろうなと思う。



